Hammarlund  HC-10 Converter
ハマーランド社で用意された既存受信機・・・多分ですが、SP-600-JX等に追加して、実用的にSSB対応させようといういわばアダプタです
450〜500KHzのIF段から信号を取り出して、60KHzIFに変換して選択度を向上させ、プロダクト検波を用意してSSB、CWに対して実用性を向上させようとするものです
結果的にHQ-180 あたりの性能を得ようとしていたモノと思われます
S100という外部スピーカーと同じようなケースに収納されていて、HQ−100などへの使用も頭にあったのかもしれません
探した資料によると、1957〜59年の間、販売されたようです

当時ですが、同様にAM送信機をベースに、SSB運用ができるアダプタも製品がありました
Heath-Kitの例 SB-10

いずれも、SSBの時代を迎えようとした黎明期に登場した製品ということになろうかと思います

235W 230H 180D 重量は、約7Kg
多くの調整つまみが配置されています

マニアックではありますが、いざ受信となったら操作が大変そうです

新しい取り組み、
SSBの時代に向けて機能を満載、そんな感じが見受けられますね
リアパネルです

ネジ端子は、スピーカー出力とAGC出力
本機の構成
一般受信機のIF部以降と考えていただければOKです
検波器、AGCの検出、低周波段まで用意されています
スピーカーの接続端子に加え、親受信機に戻すAGC端子の用意もあります
IFが455−500KHzの受信機であれば、IF信号を引き出して利用ができます
60KHzに変換することで、選択度を上げ(3段切り替)、ノッチフィルタも用意、そしてプロダクト検波、尖頭値型AGC(リリース時間3段切替)が採用されています
選択度(6dbダウン)
  LSB/USB  1/2/3KHz
  BOTH     0.5/2/4/6KHz
低周波出力  1W

採用真空管
1stMix/OSC 6BE6
IF-Amp 6BA6 x2
AM/AGC検波 6AV8
プロダクト検波 12AU7
BFO 6C4
ANL/SQ 6AL5
低周波増幅/AGCクランプ   6AV6
低周波電力増幅 6AQ5
電圧整流 5Y3GT
 以上の10球構成
 
AM中心設計のシングルスーパー受信機に接続すれば、SSB/CWに対応したダブルスーパーに
ダブルスーパー受信機に接続すれば、トリプルスーパー受信機に変身させることが出来ます 
シャーシ上面

ずいぶんコンパクトに作られています
IFTは、60KHzのもの
シャーシ底面

選択度切替
LSB/USB切替
各SW周りは混雑しています
リアパネルです
スピーカー、AGC出力はネジ端子
ほかに
・ACアウトレット
・ヘッドフォンジャック
・IF入力端子
それにパスバンド(入力450ー500KHz調整用)ダストコア部


 S100と並べてみました 同等サイズのケースです
SSB黎明期の世相を想像させてくれそうなアダプタです
     2025.08  JA4FUQ

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